謀りの後宮 おしまいまで。

終わった。

まあ最後まで隆基くんの想いは孟凡にはとどかなかったというか、孟凡が筋を通したがりすぎる性格のために隆基を許すことができなかったというのが結末。

あまっちょろいラブ史劇だと、皇位や権力より女のほうが大事な男が多いわけなんですが、隆基は(セリフの上では「そなたを傷つけたくない」とか「そばに置きたい」とか言うものの)そういうのとは違ってましたね。権力のため、というか、自分の将来のために、あの手この手で生き延び、皇位継承権を失うまいとする。その過程で自分を信頼していた皇太子重俊の皇后・安楽公主暗殺には加担せずに見殺しにしたりとかもあって(このことでも孟凡は隆基に対して不信感を抱いていた)、孟凡としては皇后や安楽公主の専横に対抗するため(というか出世のために皇后一派の手先となった妹の孟芙を取り戻すため)に隆基と手を結んではいるものの、かなり前(おそらく皇太子の謀反に加担しなかったあたり)から気持ちはなかったんだなあ、と。

そして、気持ちはない(というか信頼しきれない)相手であっても、目的が同じであれば手を貸すというか、ある意味利用しちゃったりもしているわけで、確かにここらへん、孟凡も昔のただ素直で正直なだけの人ではなくならざるを得なかったわけですね。

隆基さん、結構孟凡のために命張ってたりしてるので、そういう意味では報われない片思いだったりしたわけですが。安楽公主と孟芙は刺し違えているので隆基さんに責任はないにせよ、昭容(上官婉児)を殺しちゃったのはよけいだっただろうし。それを問い詰められた隆基さんの弁明は朝廷の維持のためにはやむを得なかったというものの、その「朝廷のため」を孟凡がすんなり飲めるはずもなく。そして安楽公主と孟芙の死にも隆基さんが関与していたという宮中の噂を否定できるほどの隆基への信頼も孟凡にはすでになく、彼女はひとり皇宮を出ることを選んだ、と。

まあ隆基さん、のちの玄宗さんなので、善政ののち楊貴妃に入れあげて晩節を汚すことになったりする人なわけですが。それはまたのちのというか別の話。

いやー、いい意味で期待裏切られましたね。これだけネタバレしといてナンですが、前半のやる気なさそうなアニー・リウの茶髪にさえ耐えられればこれはおすすめです。