天涯織女(邦題:織姫の祈り)

やっと頭から全部見ました。前に見た時は後半10話分くらいだったので、そこまでの話の経緯とか全然わからなかったのが、やっと全部つながった感じ。
というわけで感想など。

うーん。これ、巧儿が主人公だというのはわかるんですが、そして悪人ではなくいい人なのはわかるんですが、非常になんというか感情移入し辛いというか。まあ、自分を助けるために下半身不随になったファン・ニンと結婚したのちも、ニンに対しては(「あなただけ」とか「大切」とかは言うものの)ただの一度も「好き」とかそれに類する言葉を言わないのは正直だよなあ、と。

あと、個人的にはおやおやと思ったのは、前まえから巧儿に目をつけていた役人のジャン(だっけ?)が元の役人になって耶律希木を探しにきたときにファン・ニンがそいつを道づれに崖下に落ちていくんですが(これも巧儿たちを助けるため)、ジャンの手下で元ファン染色工房の職人だったシートウが巧儿たちを逃がしてくれるんですね。彼はもともとファン・ニンの姉の恋人だったのにファン・ニンの母親に仲を裂かれて恨みに思っていて、ファン染色工房を危機に陥らせたりとか姉を妓楼に売り飛ばそうとしたりとかそこまでロクなことしてなかったのに、ここでいきなり「ホントは悪人じゃなかった」アピールはなんだかなあ、と(まあそれがなかったら話が先に進まないんだが、ちょっと都合よすぎる)

それと、これも都合よすぎるなあと思った点ですが、前半のわがままだった嘉儀公主が、元に占領されて以後はうってかわってマトモというか、とてもかっこいい女性になっていました。いやこれもそうしないと話が膨らまないのはわかるんですが、あまりにもその変化が大きすぎる。

でもって、これは再三ツイッターでは文句言い続けてきたんですが、「織女」に「おりひめ」っていうルビを振るのヘンでしょ。姫じゃねーじゃん職人じゃん。職人が自分のことを姫と自称するとかありえんでしょ。

そしてそして、辮髪でない袁弘さんは大変に暑苦しかったのだけど、それは多分ですがひげのせいでありましょう。

個人的には、ファン・ニン役の䔥正楠(エドウィン・シウ)さんが素晴らしかったです。いじけたところとか、やけを起こすところとか、穏やかな表情とかなんというか全部素晴らしかった。この人のこれを見られただけでよかったと思います。

あと、珍しくこすっからい役のダイ・チュンロンさん(皇太后女優)もなかなかでした。