最近見ているドラマなど

というわけで最近みてるドラマですが、

まず「有翡」、王一博と赵丽颖の武侠ドラマです。うん、なんかさすがに赵丽颖もすこし年齢を重ねたんだなあと(特に相手が王一博だし)思わないことはないんですが、これ結構作りがちゃんと武侠なのがよいですね(宗峰岩さんもいるし)。というか、これも原作がPriest先生なわけですが、いったいどれだけ引き出しがあるんだこの人。
これ、ちゃんと調べてないですけど、時代的には南北朝ですよね多分。王一博の役どころが前朝の皇帝ってやつなんですが、姓が蕭(字あってる?)ということは南朝の梁なのかなと(調べろよ)。

次、「且听凤鸣」、邦題が「鳳舞伝」っていうやつなんですが、これ、陳情令の薛洋役の王皓轩が出てるドラマ。世界観的にはファンタジーものなんですが、これはまあ私的には普通に許容範囲。でもう、なにしろ王皓轩が可愛すぎてそればっかり見ています。

それから、「锦绣南歌」、これは邦題が「驪妃」だったかな。李沁の相手役が秦昊さんというかなり渋い人選のドラマですが、これが結構いい感じです。というかいわゆるアイドル俳優が出てこない分ちゃんとストーリーで見せようという感じがしますね。あんまりラブ史劇チックな邦題を付けない方がいいのではないだろうかと思いましたです。これも舞台は南朝の劉宋ですね。最近南朝が流行りなんですか?

 

にしても。せっかく7冊セットで笑傲江湖を買ったのに1巻の真ん中辺で止まっている。

香蜜沉沉燼如霜 看完了

というわけで正月休みにおしまいまでみました。

結論からいうと、やっぱりこれは邓伦と罗云熙を愛でるドラマ、だと思いました。全63話のうち50話過ぎたあたりからは結構面白くなってくるのですが、そこまでがかなりストーリー的に厳しいのと、天界と魔界の大戦争(女の取り合い)やった兄弟がラスト近くで仲良く酒飲んでたりするのはちょっとありがちすぎてアレでした。

まあ邓伦と罗云熙が顔が良いなんていうのはアタリマエ過ぎてどうでもいいのですが(仕事選んでね、という気はしないでもないが、罗云熙の夜神の衣装はとても似合っていたのでそれはそれでよしとする)、今回の最大収穫は、蛇仙彦佑かなあ。中の人は廖劲锋さんという、結構バタくさい(死語)感じのまあまあイケメンくくりの人だったのですが、この役がとてもよかったです(小並)。 

なんだろうなあ、何万年と生きる人ではない存在たちの社会をベースにした物語を時代劇風に作るという文化は日本にはないじゃないですか。そうするとこれなんかも古装劇っていうくくりで語られることになっちゃうわけだけど、そういうの苦手なんですよ。あと、いっこ前でも書いたけど、天界とか天帝とか出てくると、よくてあまり役に立たない人、悪くすると単に権力だけもってて人間性がカスだったりするのですが、このドラマの天帝はホントに激しくクズです。

香蜜沉沉燼如霜

というわけで、透析中に見るドラマ、現在これになっています。

とてもとても苦手な杨紫さんが主演の、ファンタジードラマです。

簡単にいえば、天帝の二人の息子と花神の娘の三角関係のお話なんですが。

まあだいたい天帝が全然公正でもなんでもないとかありがちなんですが、今まで見てきたドラマの中でもこの天帝は綺麗な女を見るとすぐ手を出すとか、地位の為に権力持ってる鳥族の有力者を正妻にしてそのために花神を捨てるとか、かなりクズ度が高いですね。さらに天后は完全なヒールです。にもかかわらず、天帝の息子二人はとてもよい人だったりする。

まあこれが罗云熙と邓伦なわけですから、美形を愛でる的な意味では申し分ないのですが、なにしろヒロインが、ねえ。なんでこんな無神経でガキっぽい女を兄弟の両方で取り合いになるのかとか思うとよくこんな脚本でOKが出たものだなあと。

杨紫さんも、青雲志とか見るとそんなに悪い役者さんではないと思うんですよ。なのにl龍珠伝もこれも、頭は悪くないのに騒がしくて無神経で思慮がたりない役で、もう少し仕事を選んだほうがいいのではないでしょうか(余計なお世話)。

 

悪との距離(我们与恶的距离)

というわけで台湾ドラマの「悪との距離」です。

全10回なのですがなぜか20何回かに分割された状態でみました。

これね、なんかたくさん賞を取ったドラマらしいのですが、面白いといえば面白かったです。ただ、テーマのわりに全10回というのはどうしても掘下げが足りない面は否めないですね。

2年前に起きた無差別殺人事件の被害者家族・犯人家族・犯人の弁護をした弁護士の家族、という3つの家族、それに加えて、犯人の妹の同居人の一家と被害者の母親の妹一家も絡んできます。

まあ短いんで見てください、なんですが、個人的に一番印象的なのは「オープニングの映像がちょっと前のTBSの金庸ドラマみたいだなあ」でした。

鎮魂、看完了(結末に触れています)

というわけで、同性愛ものが事実上禁止されている中国で、耽改と呼ばれる「BL小説を原作にバディ物・ブロマンス物に改訂」したドラマ、まあこれもそろそろもう禁止される流れっぽいのですが(茅子俊の「夜燕白」とか罗云熙の「皓衣行」とかとても見たいのですけど多分限りなく望み薄)、これは比較的前に作られた、白宇さんと朱一龙さんが出ている現代もののドラマです。原作は中国BL界の巨人(らしい)Priest。山河令の原作「天涯客」の原作者ですね。

なんというかニチアサ感とかいろいろ言われてる(モブの人数が小学校1学年分くらいしかいなかったり、セットがいかにもセットな感じだとか)わけですが、これはすごいドラマでした。これまで「イケメンなんだけどタイプじゃないんだよなあ」だった朱一龙がインテリ眼鏡でとてもかわいかったのはさておき、いやなにこれ目がしゃべりすぎでしょ。目線がいろんなことを物語りすぎてて、これはもう見ていただきたいとしか。

ストーリーとしては、特殊警察的な公的機関のボス(公的機関のはずなのに結構いろいろとラフ)と大学の生物工学の教授(ミステリアス)とが一緒に事件を解決していく中でその社会を破壊しようとしている陰謀に立ち向かうことになり、実は二人は1万年まえに出会っていて、みたいな感じの話です。
でまあ、ネット上では結末がとても悲しいとかこれで終わりでいいの?とかいろいろ流れておりますが、phoque的にはこの結末は大納得でした。というか、二人がここまでずっと何のために闘ってきたのかって考えたら、二人ともこれしか選択肢がないじゃん、ってなるわけですよ。片方は自らが破滅して道連れにすることでした破壊者を止められないし、もう片方は死んでなお永遠に炎で燃やされ続けることでしか平和が維持できない、となったら、それ選ぶしかないわけです。もし再び二人が出会うことがあるとするならば、それは破壊者が蘇るときか、平和を維持する炎が消えた時なんですよ、多分ですが。

で、ここからは余計な雑感見たいなものですが、山河令とこれとを続けて見て、原作との違いについてのネット上の書き込みなんかを読んだ限りで思ったんですが、もしかしてPriest先生って、かなり簡潔にものごとを書くタイプの人なのかなと。というのは、たとえば山河令においての赵敬と蝎王との関係って天涯客ではああいうヤンデレ息子とモラハラ親父的な濃密なものではないらしいし、鎮魂における「地星人」っていう設定も原作にはないらしい、からです。これ、もしかして脚本家というかドラマにした人がすごいんじゃなかろうかと。

といいつつ、七爷の読書もほそぼそと続けてはいるわけなのですが。うん、ぜひとも、魏哲鸣の七爷でドラマ作ってほしいです。

山河令、看完了。ねたばれ注意

というわけで最後の2週はリアタイしたので翌日眠かった。

 

さすが豆瓣8点over、すごくおもしろかったです(ちなみに陳情令は7点代)。前にもちょっと書きましたが、私もともと张哲瀚という人が結構好きで、でも自分の見るようなドラマだとわりと雑魚な役が多くて、茅子俊のことを「ルックスも演技力もいいのに当たり役がない人」と評したことがありましたが、この人はある意味それ以上に役に恵まれてない感じの人だったと思うのです(一応、男1だった作品もいくつかはあるんですが)。

で、まさにこのドラマは当たり役というか、大ブレークすることを中国語では爆紅とかいうらしいんですが、ドラマのクオリティも高かったし、その中で主役二人のキャラクターがとにかくもうどうしようもなく魅力的で、少なくとも今年私が見たドラマの中では間違いなく最高の作品でした。

ただし最終回、おめえはダメだ。

いやダメってことはないんですよ。キャラクターが素晴らしかったのは最後まで続きました。最終回近くなってから急に情報量が増えてバタバタになるのは中華あるあるなのでそんなに気にはならなかったし。じゃあなんなのか、っていうと、オチの付け方です。

カップルの片割れが命を捨てないともう一方の片割れの命を救えないという状況で、片割れを救うために命を捨てた男を、救われた男が見つけて愕然とし、何年か後にその時のことはこう語り継がれてます、な普通のエンディングの後に、「もう一つの結末」として、カップルの両方が雪山の上で人を超えた何かとして仲良く遊んでいる感じの映像が流れたわけですが。ツイッターだと、命捨てたはずの男がその後元気になって片割れといつまでも仲良く暮らしました、だと解釈してるっぽい人が結構いて、それじゃあ語り継がれたものは一体どこにいったんだ?と思うとともに、これ多分「あんな結末じゃ許せない」と思う人のために創った「ありえたかもしれない結末」だったはずなのに、普通に続きだと思われちゃうのだとしたら、いっそそういうのなかったほうがいいんじゃないの、というのがまず1点め。

で、個人的にはこっちのほうが重要なんですが、これ、結末は原作から改変されているらしいんですが、その原作の結末は、どういう形にせよ二人とも生きている(余命短い片割れを救ったのはもう一方の片割れではなく医術に優れた旧友)のだそうです。そうなんだよね。これフィクションなんだから、二人ともが望む幸せを得られるようなエンディングはいくらでも可能なはずなんです。意図的にそうしないというのはもちろんアリっちゃアリですけど、そんなもの望む人はめったにいないだろうし。どうも、「話を終わらせたい」がために無理やり片割れの死を持ってきた感じで、でもってそれだと不満な人のためにもう一つの結末を作るくらいだったら、無理やり終わらせようとしないでちゃんと着地させればよかったんじゃないのかな、と思った。

いや面白かったんですよホントに。それだけに、あの終わり方は残念だなあと。

そして七爷の人が、今までみた全人類の中で一番、完璧に私の好きな顔でした。

 

「魔道祖師」と「陳情令」について思ったことなど

というわけで、いっこ前で魔道祖師を4巻だけ読んだけどオススメしないと書きましたが、陳情令全編の中であたしがどうしても気になっていたこと、義城篇の薛洋と暁星塵の関係についてちゃんと理解したいと思って、頭から全部読みました。うん、kindle版でも1巻1500円以上するので結構な出費だったけど、後悔はしていません。面白かったし。

でまあ、4巻から読んだので結末がどういうものだかわかっている状態で頭から読んだわけですが、そうするといろんなことが見えてきますね。多分予備知識がないと見逃してしまうようなところに、いちいち蓝忘机の気持ちの動きが現れてるわけです(魏婴が蓝湛に酒飲ませて自分を指差したら酔っぱらった蓝湛が「私のものだ」と答えて、それを魏婴の方は、たまたまその時に蓝湛の剣を背負っていたからそれのことを言ったと思うところとか、ちょうどいいすれ違い加減ですね。そういうのがたくさんある)。

一番びっくりなのは、

魔道祖師はまごうかたなく恋愛小説なんです。
自分のせいで(と本人は思っている)一度喪ってしまった相手に尽くす愛を貫こうとする男と、美しく高潔な彼を自分の邪な心で汚したくない男の、両片思い状態のクライマックスが宿屋で風呂桶をぶっこわすあたり→気まずくなって外に飛び出した魏婴が観音廟で蓝曦臣から弟の気持ちを知らされ、その後現れた蓝湛に「お前と毎日ヤリたい」と伝える場面ですね。ここは本当にいい場面なんですが、

これ、「陳情令」ではまるっとないわけですよ。ドラマはあくまでもブロマンスで、二人の関係は「知己」なわけです(まあ中国時代劇における「知己」の意味って日本語で考えるよりはるかに強くて深いわけなんですが、だとしても)。蓝湛の魏婴に対する気持ちも、深い愛ではあっても恋情ではない。蓝湛のやきもち(これ本当にかわいい)も、魏婴の苦悩も全然登場せず、つまり、原作における一番の核心部分ってそっくり無い物になっちゃってる。

にもかかわらず、「陳情令」のドラマとしての完成度は高く、人間関係は濃密なんですよ。一体全体、どうしてここまで密度の濃い話が作れるのか。

すごい手放しでべた褒めしてますが、それくらいすごかったですね。

 

で。冒頭に書いた「義城篇の薛洋と暁星塵の関係について」なんですが、結局よくわかったようなわからないような、そんな感じです。薛洋はサイコパスというか、快楽殺人者という設定なのですが、それでもここでの暁星塵への執着には、彼なりの人間らしい思いがあったのではないか、と思っておくことにしました(飴が人の心の象徴というか)。

 

まあ気が向いたらまた追記しますが今回はこんなところで。

<<追記>>

ついに二次創作に手を染めてしまった。

Another Words に置いてあります。

創作に頭を使ってると編み物が全然できない。今考えてるのは「薛洋を救いたい」です。

<<追記2>>

また読み返しているのだけど、蓝忘机は自分が男性(ただし多分魏婴限定)が好きであることを実は結構早い時期から自覚しているのではないかというのがちらほらありますね。一番はっきりしてるのは玄武洞で怪我の手当をしている時に魏无羡から「俺は男に興味はないからお前の服を脱がせても何もしない」みたいなことを言われて不機嫌になるあたり(その時は他にもいろいろ言ってたので、当然のことながら魏无羡は不機嫌の理由をそっちだと思っている)だけど(ちなみに玄武洞の時は魏婴が绵绵から匂い袋を貰ったりしてる往きの道、女性に対する軽薄な態度に蓝湛激おこだったけど、あれって軽蔑じゃなくて嫉妬だから、少なくとも自覚したのはそれより前)、そのずっと前にも、最初の雲深不知処での座学のとき、魏无羡から兎を2匹もらったらその兎が交尾的なことをしていて、でも実は両方オスだったっていうのがあるんですけど、あれも何かの暗示ですよね。

あと、沢蕪君が両親の話を魏无羡に聞かせるシーンで、蓝氏にもそんな情熱的な人がいるんですね、的なことを魏无羡が言うんですが、その話の中身がまさにそのまま「雲深不知処に連れ帰り隠す」で、蓝湛、実はその情熱的な父親にそっくりなんだなあ、と。

追記3

薛洋を救いたいプロジェクトが無事完結したので、pixivに投げました。

www.pixiv.net