鎮魂、看完了(結末に触れています)

というわけで、同性愛ものが事実上禁止されている中国で、耽改と呼ばれる「BL小説を原作にバディ物・ブロマンス物に改訂」したドラマ、まあこれもそろそろもう禁止される流れっぽいのですが(茅子俊の「夜燕白」とか罗云熙の「皓衣行」とかとても見たいのですけど多分限りなく望み薄)、これは比較的前に作られた、白宇さんと朱一龙さんが出ている現代もののドラマです。原作は中国BL界の巨人(らしい)Priest。山河令の原作「天涯客」の原作者ですね。

なんというかニチアサ感とかいろいろ言われてる(モブの人数が小学校1学年分くらいしかいなかったり、セットがいかにもセットな感じだとか)わけですが、これはすごいドラマでした。これまで「イケメンなんだけどタイプじゃないんだよなあ」だった朱一龙がインテリ眼鏡でとてもかわいかったのはさておき、いやなにこれ目がしゃべりすぎでしょ。目線がいろんなことを物語りすぎてて、これはもう見ていただきたいとしか。

ストーリーとしては、特殊警察的な公的機関のボス(公的機関のはずなのに結構いろいろとラフ)と大学の生物工学の教授(ミステリアス)とが一緒に事件を解決していく中でその社会を破壊しようとしている陰謀に立ち向かうことになり、実は二人は1万年まえに出会っていて、みたいな感じの話です。
でまあ、ネット上では結末がとても悲しいとかこれで終わりでいいの?とかいろいろ流れておりますが、phoque的にはこの結末は大納得でした。というか、二人がここまでずっと何のために闘ってきたのかって考えたら、二人ともこれしか選択肢がないじゃん、ってなるわけですよ。片方は自らが破滅して道連れにすることでした破壊者を止められないし、もう片方は死んでなお永遠に炎で燃やされ続けることでしか平和が維持できない、となったら、それ選ぶしかないわけです。もし再び二人が出会うことがあるとするならば、それは破壊者が蘇るときか、平和を維持する炎が消えた時なんですよ、多分ですが。

で、ここからは余計な雑感見たいなものですが、山河令とこれとを続けて見て、原作との違いについてのネット上の書き込みなんかを読んだ限りで思ったんですが、もしかしてPriest先生って、かなり簡潔にものごとを書くタイプの人なのかなと。というのは、たとえば山河令においての赵敬と蝎王との関係って天涯客ではああいうヤンデレ息子とモラハラ親父的な濃密なものではないらしいし、鎮魂における「地星人」っていう設定も原作にはないらしい、からです。これ、もしかして脚本家というかドラマにした人がすごいんじゃなかろうかと。

といいつつ、七爷の読書もほそぼそと続けてはいるわけなのですが。うん、ぜひとも、魏哲鸣の七爷でドラマ作ってほしいです。