辮髪ドラマのこと(ストーリーにはほとんど触れない)

この前ツイッターでおすすめの辮髪ドラマについてあれやこれや書いていたのだけど、ちょっとまとめてみます。なんかすごく長くなったし、内容はそんなにないです。

「宮廷の諍い女」
そもそも私が中国ドラマにはまったり中国語勉強するようになったきっかけがこれなわけです。ついでにいうと、それまでリビングのテレビには録画機材はなかったのですがこれを録画したいがために速攻HDDを買ったというようなこともあります。最初はたまたまBSをザッピング(死語)していて、とにかく衣装とか髪飾りとかが豪華なのが目に留まって見始めたわけなんですが、登場人物はみないろんな背景があるし、人間関係は一筋縄ではいかないし、とみていて飽きるということがまったくなかったです。伏線もほんとにちゃんと回収されてるし(あれ?果郡王が船の事故で殺されそうになったのは一体何が黒幕だったんだっけ?)、まさに「神劇」と呼ぶにふさわしい大傑作。連休中に何周めかになる通し視聴をしたのですが(wowowオンデマンドにあったので)、何度もみてストーリー知ってるのにそれでもやっぱりかじりついてみてしまうような感じでした。あらすじはまあウィキペディアを見ればわかると思いますが(しかしあれ文章下手な人が書いてるよね)、このドラマの一番重要なテーマは「家族」なのではないかと思います。家族が陥れられ流刑されているということがなければ、主人公にはたぶん別の幸せな人生があったはずなのに、という、そういうお話。

「宮廷女官若曦」
で、「諍い女」以前に「神劇」と呼ばれていたのはこれなわけですが、正直、個人的にはそこまですごい話か?と思う。キャスティングはイケメン揃い(ということになっているが今見るとそれほどでもない)。現代人の歴女が事故でタイムスリップした先は康熙帝の後継者争いの真っただ中、その中でこっちの皇子から思われあっちの皇子からも思われ、というお話なわけですが、このテの「特殊な出自の娘が身分の高い男性(複数)から思いを寄せられる」系はこの原作者のお話だいたいそのパターンなので食傷気味だったりします(まあこのドラマが悪いわけじゃない)。あと、後半話が加速度的に重くなるのもこの原作者のお話だいたいそのパターンですね。個人的には、主人公と恋愛関係になる4皇子とか8皇子とかじゃなくて、親友である13皇子でもなくて、4に複雑な感情を抱きながら8を支え、13のように主人公を理解したいと思い続けてる14皇子に注目してみてほしいと思います。これ自分がそういう目で見ているからそう思えるのかもしれないけど、原作小説読んでも、14はかなり最初から主人公が気になって気になって仕方がないことがわかるし、原作にはおまけ的な後日譚があるのだけどそれも14のお話だったりします。あと、タイムスリップもののお話には「歴史の自己修復」というカテゴリがあるらしいのですが、このドラマにはその要素が若干ですがあります。

「宮廷の泪山河の恋」
片思いの→が長く長く連なっていて誰ひとり幸せにならない系ドラマ。こっちのほうが「若曦」よりイケメン率高いと思う。上の二つに比べると時代的に古い話なんですが、画面全体がキンキラキンで若干安っぽさを感じなくもないです。群像劇的なつくりというか、主人公とその周りの登場人物の重要度に差がなくていくつもの話が分散していると感じるかもしれません。個人的には嫌いな話じゃないけど、ドラマ冒頭のシーン、結構重要な場面であるかにみせかけて、本編には同じシーンが実はない(YouTubeでいうところのサムネ詐欺みたいな)とか、クセがあるので見るひとを選ぶような気がしないでもないです。

「諍い女たちの後宮
この「宮廷の諍い女」に便乗したとしか思えない酷い邦題のドラマについては、このブログの過去ログにも結構詳しく書いたのですが、もう一つ、この制作会社のドラマを日本に持ってきてる配給会社、邦題になんでも「後宮」とつける謎ルールがあるらしくて(まあ「后宫」が「王の後宮」なのはまだ理解できるけど)、間違いなくそれで損してると思う。phoqueさんイチオシの中国美人女優・甘婷婷さんが主役の、一応後宮が舞台ではあるもののいわゆる後宮もの(皇帝の寵愛を側室が競う的な)とは全然関係ない、良質の宮廷ミステリーです。さすがに今見ると画面の若干の古臭さは否めませんが、中国時代劇にありがちな、最初のうち人間関係を理解するだけで頭いっぱいでストーリーに入れないなんてこともなく、掴みもテンポもよいし、結末はちょっと甘いかなと感じなくもないけどすっきりと見終われる感じです。

「皇帝の恋 寂寞の庭に春暮れて」
これも、誰も幸せにならない系。初回の、少年が「やーー」とか声を上げて爺さんに遅いかかるところとか、その後の一家惨殺とかを乗り越えれば、あとは大丈夫です。ストーリーはそこそこ複雑(すれ違いに人によってはちょっとイライラするかもしれない)、キャストもそこそこ美形(個人的にはこのヒロインの人の顔は好きじゃないんだけど)、というか、イケメンの皇帝とイケメンの御前待衛を愛でるだけでも見る価値あるかも。個人的には、結構この結末は意外というかもうちょっとハッピーエンドに寄せてくるのかなと思ってみていたのですが、納得できないものではありませんでした。

「宮 パレス~時をかける宮女~」
「宮廷女官若曦」と同じ時代背景で、歴女がタイムスリップして4皇子や8皇子と恋愛関係になるという、まあ普通に考えてパクってるよね、なドラマなんですが、これも何度も書きましたが若曦よりこっちのほうが、史実を無視して自由に作られている感じというか、主人公が現代人らしく自由闊達なキャラクターなところとか私は好きです。タイムスリップものの要素のひとつに「存在の輪」っていうのがあるのですが、このドラマは実はそれが結構うまいこと活かされている、と思います。(ちなみに、歴史の自己修復もストーリー内では語られている)。あと、冯绍峰さんのたるんだ上半身のことは責めないであげてください。次で挽回しますので。

「宮 パレス2~恋におちた女官~」
上のの続編なんですが、タイムスリップものが禁止(しょっちゅう禁止になってるのにいつのまにか復活してるよね)になったので劇中劇という形に無理くり押し込んだ(のだと思う、たぶん)お話。時代としては「宮廷の諍い女」と丸かぶりなわけですが、雍正帝と十七皇弟との間で揺れる主人公、という感じ。女の裏切りがたくさんあるお話なんですが、そんなことよりもこのドラマ、蘇培盛のストーリーだと思ってみるのがよいと思います(あと李衛ですね)。それから、ストーリーとはあんまり関係ない(いや、なくもない)けど、十七皇弟の夫人のニオフル氏は、諍い女だと主人公の妹ですが、こちらでは史実に忠実というか阿灵阿の娘ってことになってますね(その代わり?慎郡王が十九皇弟になってる)。劇中劇じゃない部分でちょっとだけ出てくる冯绍峰さんは前作とはうってかわってしゅっとして超かっこいいので前作のことは許してあげてください。

「瓔珞<イラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」
これはまだ見てる最中というかちょうどまんなかへんまでさしかかったところなんですが、いや正直期待以上にかなり圧倒的におもしろいですよこれ。于正Pらしいぶっとんだヒロイン像はいかされつつも、ストーリー自体は重厚感があるし、なによりも脇キャラの充実ぶりがすごい。早々に退場してしまった高贵妃は諍い女でいうところの華妃的なポジションだと思うのですが(この人すごく魅力的でした)、その他の妃嬪も曲者だったり、皇帝がなんというか皇帝なんですよ(←語彙力が(;^_^A)。そして娴妃がこの先ストーリーの重要な核を担ってくるわけですが、この娴妃のキャラ造形とかを考えると、(次に述べる如懿伝よりも)むしろこっちのほうが諍い女の系統の話のように思えます。しかし、この主人公この先皇帝の子供をポロポロたくさん産む人なはずなんですが、そういう気配がいまのことろ全然ない。あと、私いつも報われない男に肩入れして見ることが多いんですが、富察傅恒、わりとどうでもいい(海蘭察のほうがすてき)。

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~」
で、如懿伝ですが。うーん、うーん。見てはいる。見てはいるし、この先面白くなってくれるであろう期待はまだ捨ててないのだけど。前に書いたけど原作小説を途中まで読んでいます(読むのが遅い)。そもそも諍い女の原作小説が架空時代の架空王朝が舞台だったのにドラマが雍正帝時代の設定で作られて大成功したので、その続編小説はドラマの終わりに続く形で書かれたというようなことがあるらしいのですが、このドラマは諍い女の続編という形ではないようです。皇太后ニオフル氏陰険すぎる。まあでもそんなことよりも、個人的に非常に不満なのは、ウォレス・フォさんみたいな演技力もある超美男俳優が演じているにもかかわらず、乾隆帝がまったくこれっぽっちも魅力的に見えないことです。わざわざwowow契約しなくても、そのうちチャンネル銀河かなんかでやっただろうからそれまで待てばよかったなと。

「宮廷の秘密~王者清風
思い出したので追加。乾隆帝が宝親王時代から即位後までの話なんですが、別名を「功夫乾隆」だかという、まあ武侠系というか、チャンバラ系なドラマです。蒋夢婕とか高洋とかかわいい(蒋夢婕のふっくら顔って好みがわかれると思うのですが、「紅楼夢」の時よりもこっちのほうが格段に良い)のと、前半は結構娯楽ものとしては面白いと思うのだけど、なにしろ後半がひどいというか、結末があまりにあんまりすぎて、乾隆帝が即位するところまで見れば十分だと思います。

「上書房」
これも思い出したので追加。結構昔のドラマなので、袁弘さんとか杨幂さんとかの若いころが見られます。…という以外にどこにみどころを見出せばいいのかちょっと難しいですね。雍正帝の後継者をめぐる弘昼・弘暦・弘時の争いというか、弘昼と弘時が延々と弘暦にイヤガラセをし続けて、いつになったら弘暦のターンになるのか、ものすごくイライライライラしてるうちに、弘暦の想い人は世を去ってしまい、彼女の親友だった富察氏の娘をどう自分に折り合いつけたのかわからないけど娶ることにする、という全方位的にモヤモヤする終わり方をします。

というわけで思い出した限り書いてみました。ちなみにあとHDDには「皇后の記」(テーマ的には山河恋と同じ)が入っているのですが、主演女優が苦手なんだよなー。

追記:「皇后の記」主演女優もさることながら、ドルゴン役に華がまるでない(山河恋と比べちゃいけないと思いつつも比べてしまう)ので見ていて辛すぎる。