項羽と劉邦というかピーター・ホー

項羽と劉邦」という邦題のつけられたドラマや映画は過去たくさんあったわけですが、現在BSフジで放送しているやつは、原題が「楚汉传奇」なやつです。主役がピーター・ホーとチェン・ダオミン。

しょっちゅう映像化されるような主題なわけで、日本でもたぶん三国志マニアと水滸伝マニアの次くらいに楚漢マニアっていうのがいるんだろうなあ、と。

とりあえず毎日見てはいるのですが、吹き替えのせいで流し見です。なんか気が付いたら貧乏くさいところにひっそり暮らしていた項羽は大将軍としてデカい城の上のほうから大軍勢に号令かけてるし、田舎の親分だった劉邦もいつの間にか沛公とかになってるし。

新三国で曹丕をやってた于濱さんてひとが秦の二世皇帝をやってるんですが、これがまたアホっぽくていい味です。そして、そのアホ皇帝を操ってる悪辣な宦官であるところの趙高(こちらは新三国で袁紹やってた人)がなんというか実にチャーミングというか雅なんですよね。いや趙高が悪人なのは中国史に詳しくない私でも一応知ってはいるのですが。

で、ここまで見てきて思ったんですが、もしかしてピーター・ホーってそもそも時代劇に向いていないのではないか、という…。いや、馬に見えるとかイケメン枠なのはおかしいじゃないか、とかそういうのもあるんだけど、なんかこの人、冷徹っぽく見えるんですよ。やたらガタイがいいのに冷酷っぽい顔立ちなので、あんまり武将っぽくみえない(呂布は悪くなかったと思っていたけれど)、たぶん本当は血も涙もない冷血な弁護士とか、そういう役のほうが似合いそうな気がします。

歴史を知ってる人間から見たら、この先項羽がたどる運命って悲劇なわけだけど(そういえばNHKの大河ドラマ平清盛をやった時に「ネタバレするな」と怒られたという話があるけれど、楚漢とかもネタバレするなとかいう人がいるのだろうか)、ちょっとそこらへんの悲劇をこのピーター・ホーがどう演じるのかは楽しみではあります。