晩媚と影

というわけでアマプラでは扶揺のあと晩媚と影(原題:媚者無疆)をみてたわけですよ。これ、ツイッター等では結構評判が良かったのだけど、前に2回くらい見ようとして医者を殺すあたりで2回とも脱落していたわけですが、今回はそれでもなんとか最後まで見ました。

うん、これ、評判がよかったのもわかります。わかるんだけど、結末がなんというか結構救いがない感じ。長安はホントに死んだのか?っていうのを完全にははっきりさせない感じだったんですが、もし生きていたとしたらラストのあの晩媚の抜け殻状態はなんだかなあ、となる。それと、刑風さん、ところどころにいい人オーラ出してたなあとは思うし結果的に晩媚を救ったのは彼なんですが、にしてもなんかモヤモヤする。それから最大のモヤモヤは、月影さんが最後自ら望んで後宮入りしちゃったことですね。

個人的には(ツイッターでさんざん言いましたが)、塩の密売していた人(晩媚の2人目のターゲット)が张天阳さんで、あーかっこいいなあ出てきてすぐ死ぬ役だったけど。

 

扶揺 看完了

というわけで見終わったのだけど。

結論から言うと、途中まではそれほど悪くなかったのに、結末というか問題解決の方法がちょっと雑すぎないですか?という不満が大きすぎて全部がダイナシになった感じです。

 それとは別に、ドラマによくありがちなのは、普通だったりあるいはむしろ底辺だったりする主人公が高貴な生まれの相手と恋愛関係になって身分違いで悩んだり邪魔が入ったりして、で実は主人公も高貴な生まれだったりする、ってやつなんですが、なんかね私たぶん、そういうのが好きじゃないんですよ。そういう問題の解決は全然解決じゃないじゃん、と思う。

扶揺を見てる

杨幂さん嫌いじゃないんだけどこの人のドラマで日本に入ってくるのってだいたいファンタジー系じゃないですか。あたしはもっと史劇よりのラブ史劇が見たい人なので、ずっと避けていたんですよ。でも、透析中に見るものがなくなってしまったので、仕方なく比較的ジュブナイル度がなさそうなこれを見ることにしました。

うん、最初の玄元山パートのうちはわりと武侠っぽい感じの話なんですよね(ただ個人的に武侠社会ってもうちょっと実力主義というか身分的にはフラットな気がするので、この玄幽部とかなんとかいう「上に上がれない奴婢制度」は個人的にどうなの、って気がする)。で、奴婢だったヒロインがなんだかんだでその山を下りてからの大淵国パートとかはわりと宮廷モノ的な感じ。ここでは大淵国の王兼争いがあって、それが解決すると今度は天権国の主に辺境が舞台になるんだけどここは戦争モノの感じ(実際には戦争というよりは盗賊団と村の戦いなんだけど)。で、それも解決した後は天煞国への困難な旅があって、天煞国のクーデターがあってこの部分も戦争モノっぽい感じ。そこも解決すると今度は璇玑国の異変を調べに行ってそこで山に捨てられる前のヒロインの素性がわかり、それから天権国でクーデターが起きたのを解決しに行くのですが(だいたいそのへんまで見た)。

あえて恋愛から見の要素を抜きにしてざっくりとストーリーを追ってみたのだけど、いやこれベタベタのラブストーリーですからね基本。で、あれこれの要素を詰め込み過ぎじゃね?というのが率直な感想。

まあ中国ドラマ基本的に長いしストーリー複雑なんですが、ちょっとばかりやりすぎ感がある。あと、悪人がいかにもな悪人ばかりで、善悪的な基準でいえば結構わかりやすいんですよ。しいて言えば天権の皇帝くらいがその例外な感じ。

あとですねえ。天権の皇太子長孫無極というのがヒロインのお相手なのですが、彼がヒロインを丫头って呼ぶわけですよ。杨幂さんのやくどころは「五色の石を持つ少女」なんですが、…少女? うーんさすがにもう少女はちょっと無理では?と思っています。

皇太子約のイーサン・ルアンさん、この人もいつまで見ても主人公補正がかからなくて全然カッコよく見えなかったりします。

そんなところです。

 

そんなところです。

大玉儿传奇 

というわけで、邦題が「皇后の記」であるところの清朝初期ドラマです。題材としては美人无泪と全く一緒の、ホルチンの姫がヌルハチの死に立ち会う場面に始まって康熙帝の即位に至るまでの、孝庄文皇后ブムブタイとホンタイジとドルゴンとフリンの話。ただしこちらでは、ドルゴンと玉儿は相思相愛だったのをホンタイジが割り込んで奪った形。要するにラブ史劇なわけですが。

うん、なんだろうね。ラブ史劇のはずなのになぜかとても戦争シーンが多いし、長いし、血しぶきが過剰だし、大砲撃たれて人間が吹っ飛ぶシーンがやたらある。人が斬ったり斬られたりするシーンがあんなにたくさん必要なんだろうか、ラブ史劇なのに。あと、人が首をつって死ぬシーンとか、見せしめに門から死体をぶら下げるシーンとかあるんですが、そういうのも全部ばっちり映してる。結構残虐なので、お子様には見ないことをオススメしますね。

あたしが常々苦手だと言っている景甜さんが主役で、ホンタイジはみんな大好き聂远さん、ドルゴンの人はごめんなさい知らない子でした。このジャガイモっぽい顔のドルゴンの華のなさが結構最後まで違和感が消えなかった(何しろ韓棟さんのドルゴンを私たちは既に知っているので)。

ダイシャンが優柔不断とかジルガランが日和見とかマングルタイとかアミンとかがかなり悪辣だったりとかドドが単純なガキだったりとかアジゲが考えの浅いサイコパスだったりとかホンタイジが思いきり冷酷だったりとかホーゲが卑怯者だったりとかフリンがバカガキだったりとかみんなろくでもなく描かれてて、でドルゴンはいい人なのかというとそんなこともなく、最初から結構傲慢だし後半になるにしたがって更に傲慢になる感じで、まったく感情移入が不可能でした。

そして肝心の玉儿さんはというと、ホルチンの姫のころはともかくホンタイジに嫁いでからは常にホンタイジにおびえてて、でもって皇太后になったとたんにものすごく強権的になって、その変わり身早すぎるだろうみたいな感じ。苦手な景甜さん、班淑の時みたいな騒々しい破天荒娘じゃない分だけ前半はマシだったのですが、後半の強い皇太后やってる部分はなんかちょっとやっぱり苦手だわ。

あと、ロンゲの扱いが最後超雑。中盤までこの人が結構重要な役割だったのに。

さて、次に透析中には何を見ましょう。琅琊榜2とかは見てからまだ日が浅いので。やっぱりhuluとかネトフリとか契約しないとだめかしら。

こんな感じです。

 

三国機密 ネタバレあり

随分前に見終わっていたのだけどブログに書くのが遅れてしまいました。

 

知ってる人は知ってると思いますが私が三国志の登場人物で一番好きなのは献帝なわけですが、その献帝、というか献帝として生きることを強いられた人が主人公のお話、というか、献帝には実は生まれてすぐに離され楊の息子として育てられた瓜二つの双子の弟劉平がいて、献帝の死後替え玉の献帝として漢王朝の復興のために曹操に対抗していく、みたいな話。で、三国志という割には董卓呂布も死んだあとからの話だし劉備孫権も名前しか出てきません(袁紹くらいですね、曹魏関係以外で出てくる人は)、

献帝の替え玉の劉平くんは、とにかく心優しくて人が殺しあうのが耐えられない人。そのせいでかえって人が死んだりとかするし幼馴染で兄同然である司馬懿からもおまえのやり方では人は救えないとかボロクソ言われるのですが、結局最後までそれを貫き、曹丕への禅譲もそのために決意した、というような感じです。

まあメインの話はそんな感じなのですが、個人的に面白いと思ったのは、郭嘉とか荀彧とかみんな、劉平に感化されていくんですね。最初のころ郭嘉のパシリみたいで小物感しかない満寵が、終盤になってしみじみと「郭嘉の考える理想の君主だ」みたいなことを言うシーンがあって、ああこの人人を見る目があったんだなあ、と思ったりもしたものでした。

その他印象的だったシーンとしては、そんな心優しい劉平くんが、鮮卑族に責められた時、捕まった3人の漢人の伝令が鮮卑の投石機で石の代わりに発射された時、2人目が発射された後恐怖で半狂乱になった3人目の心臓を正確に矢で射抜いたところですね。

面白かったんですよもちろん。相変わらず馬天宇はかわいらしいし、韓東君はりりしいし。個人的には曹丕の闇抱えたキャラが結構空きでした。なんですが、司馬懿との関係がなんか濃すぎて、どうにもそこらへんついていけない感じがしました。最終的に司馬懿と龍平は別の道を歩くことになるのですが。

 

とまあだいたいそんなような感じです。

九州海上牧雲記

はい。見終わりましたよ。うん。

 

正直な話、70話くらいまで見た段階で、これあと5話でなんか絶対に終わらないだろ、という感じだったし、ツイッターとかでも「続きが気になる終わり方」だというのは聞いてはいたので、実際に75話見終わって「終わった」感皆無なのはまあ仕方ないだろうなと。75話でこの感じということは、全部の話が収集がつくまでには200話くらいは必要なんじゃないだろうか、と思いました。とはいえ、じゃあ不満タラタラかというと、そんなことはなくて、すごいものを見せてもらった、という気持ちではあります。でも続きが見たい。キャラが魅力的なんですよ。彼ら彼女らがこの先どうなるのかホントに切実に知りたいと思います。多分人が二次創作を始めるのって、こういう続きが見たい気持ちからなのかなあ、などとぼんやり思っています。

ファンタジー苦手と前から言っている私ですが、これは割と大丈夫だったというかこのテのは平気だというのがわかった(ダメなのは、三生三世ナントカとか古剣奇譚とか花千骨とかの恋愛メインのファンタジーのようです)。

 

九州シリーズ、というのは中国の作家7人(だったと思う)が共同でファンタジーを書いている世界観のことで、東西北の3つの大陸があって9つの州に分かれていて、そこに人族羽族巨人族とか6つの種族が住んでいて、人族は東大陸に王朝をたててそこを中心に生きている、その文明は8000年続いている、みたいな感じで、海上牧雲記はその8番目の王朝「端朝」が建国から300年たった、という頃の話です。

北大陸の瀚州、人族は8部族(これは上の6つの種族とは別)あって、端朝に支配されて苦しい生活をしている。その中で碩風族の族長の息子和葉が1人目の主人公。
端朝の300年前の建国にかかわり兵権をずっと担ってきた穆如家の3男は、生まれた時に星周りから「牧雲から皇帝の座を簒奪する宿命」とされたため、牧雲の天下をゆるかすのをよしとしない父に捨てられた子寒江が2人目の主人公。
端朝の皇帝と最愛の銀蓉妃(魅族という超能力が使える種族)から生まれ、星回りから「この子が皇位につくと大乱が起こる」と言われた皇子牧雲笙が3人目の主人公。

とか書き始めましたが、いやまあなんかもう「見てくれ」としか言えないです。すごい画面綺麗。結構血しぶきが飛んだりバイオレンスな描写は有りますが。

そしてこれのシリーズもの、とはいえ海上牧雲記より700年前の時代を描いた「九州縹渺録」がwowowでやってるので、それもまた見なければなりません。

コウラン伝(皓鑭傳)のNHK-BSでの放送に関するもやもやなど。

というわけでこれも始まったので見ています。うん、NHKさんなので吹替なのですがとりあえず中国語音声で日本語字幕で見ることができるのでそこはまあまあ良いかなと。最初吹替で見てしまって声優の声がなんというか合わなさすぎる感じで、これ吹替でしか見られなかったら1話で脱落してたよなあと。

でまあ、これ于正さん作品のよくあるパターンで他のドラマで見たような人がたくさん出てくるんですが、今回それがホント個人的にはモヤモヤの原因だったりします。というのも、主要キャストがほぼほぼ延禧攻略とかぶってるんですが、ツイッター上では「エイラクのあの人が出てる」みたいなのばっかりで。うん、確かに延禧攻略はものすごくよくできたドラマだったと思いますよ私も。あれがきっかけで中華時代劇見るようになった人もいるだろうしね。だからそれに出てたあの人が出てる、って思うのは当然だと思うけど、でもこのドラマをこのドラマとして楽しむよりも、「エイラクのあの人が出てる」という視点でしか見てないんじゃないだろうかな人がホントたくさんいて、なんというか個人的にホントにモヤモヤが止まらないのです。まあ、他人がどういう風に見てようと関係ないっちゃ関係ないんですが、ドラアの内容そのものよりもそんなところで盛り上がってると、于正さんにしっぺ返しくらうというか遅かれ早かれ脱落するんじゃないだろうか、と思いながら生ぬるく見ています。

あと、今回吹替ってことで、声優ファンの人も「だれそれさんの声だ」で盛り上がったりしてるみたいなんですが、それもまた個人的にはモヤモヤします。まあそもそも中国ドラマって中国人が中国人の役で中国語を話すドラマでも本人じゃなくて吹替だったりするわけなのですが、それでもなんというか日本語の声が俳優さんのイメージと違い過ぎてこれ誰がキャスティングしたんだ?と思うし、声優ファン界隈の盛り上がりって個人的には違和感でしかないんですよ。うん。

あとね、気になってるのは、どう聞いてもセリフは「王后」なのに、字幕が「王妃」なことですね(たぶん吹替のセリフも「王妃」になっているのだろう)。これ確か昔「宮廷女官チャングムの誓い」の時に、本来朝鮮王朝の王后(中殿)のことを「皇后」って訳して結構あちこちから突っ込まれたというか怒られが発生してたと思うのに、またやらかしてるのね、的な感じだったりします。

まあ、茅子俊さんがNHKで見られるというだけで本来文句言えた筋合いじゃないんですけどね。